呼吸器科医

肺を中心とする呼吸器の疾患は内臓疾患の一部であるため、大きくは内科にカテゴライズされますが、より専門的な診療・治療を適切に行うため、診療科目は臓器や機能ごとに細分化しています。呼吸器科とは‘呼吸’に関係する臓器の病気を専門的に診る診療科になります。

私たちが毎日休むことなく行っている呼吸とは、酸素を取り入れて二酸化炭素を排出する現象でガス交換とも言われます。生きていくために私たちは食物を食べますが、これがエネルギーとして体の中で使われるためには、酸素が必要です。そしてエネルギーを作った後には二酸化炭素が生成されます。肺を中心とする呼吸器は、空気を出し入れすることによって空気中の酸素を血液中に取込み、血液中の二酸化炭素を呼気中に排出する働きをしているのです。

実際にこの酸素と二酸化炭素の出し入れを行っているのは、肺にある肺胞と言われる小さな袋の集まりで、肺胞と外気は気道でつながっています。呼吸の流れとは、鼻から吸った空気は鼻腔→口腔→喉頭→気管→左右の気管支と進み、左右の気管支に分かれた後、最終的に肺の中にある肺胞に到達します。空気の最終到着地点である肺胞の壁は非常に薄く、肺胞の周りには細かい毛細血管が取り巻いて酸素と二酸化炭素の交換が行われ、取り込んだ酸素は肺胞内から血液中へ、二酸化炭素は血液中から肺胞内へと移動していきます。

呼吸器の病気には、鼻腔・口腔・咽頭・喉頭にウイルスが感染し炎症を起こす「風邪」「インフルエンザ」、肺の中で微生物が繁殖する「肺炎」、結核菌が肺胞で繁殖する「肺結核」、気道の慢性的炎症である「気管支喘息」、肺を包む肋膜(胸膜)に穴が開く「気胸」、肺胞組織が破壊される「肺気腫」などがあります。

多くの呼吸器の病気には、咳・痰の他、‘ゼーゼー’‘ヒューヒュー’といった息苦しさや胸の痛みなどの共通的な症状があります。そのため多くは風邪と自己判断しがちではありますが、風邪様の症状の裏には大変危険な病気をはらんでいることもあります。呼吸器科医は、そうした呼吸器に変調を持つ患者さん症状を専門的な視点から診療し、レントゲン検査、呼吸機能検査、痰・血液検査、CT検査などを行い、病気の原因や根源となる病原菌を特定し、治療を進めます。 

呼吸器は私たちが生きる上で欠くことのできない‘呼吸’をつかさどる器官であるため、特に肺炎などの呼吸器疾患においては生命を脅かすリスクもあり、専門医の診療が欠かせません。

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